はじめに

　本マニュアルは、2005年10月に、ＰＣ要約筆記グループ「なごや組」のパソコン要約筆記の手法、パソコン要約筆記に対する考え方をまとめたものです。2007年1月に1度改訂しています。

　マニュアルを作成してから何年もたつと、ハード・ソフトが進歩し、要約筆記・字幕に対する考え方も変わってきて、実態に合わなくなってきます。そこで、今回、一部に手を入れ、IPCapture を使った練習、インターネットを使った遠隔練習の章を加筆しました。

　IPCapture は、入力者が連係して打っている様子や出力を記録し、後から再現するソフトで、講座・講習会・練習会の必須アイテムといっていいと思います。どうしたら、入力がうまくなるかわからないという方は、IPCapture で記録して、それをご自分で見て下さい。打っている最中は、とにかく打ったり、聞いたり、モニタするのに必死で、自分たちのしていることが、よく見えていません。後から、客観的な目で見直すと、「あそこは、ああすればよかった」、「なんで、こんなことをしてるんだろう？」というところが、いっぱい見つかります。また、全画面表示したものを利用者の目で見てみると、自分たちの出している字幕が、本当にリアルタイムなのか、読みやすいものなのかが、よくわかります。これは、入力しているだけでは、絶対にわかりません。IPCapture は、入力者を見る側の立場においてくれる唯一のソフトです。

　最近、インターネットを使った遠隔情報保障や遠隔練習が、あちこちで行なわれるようになってきました。なごや組でも、あれこれ試行錯誤した末、PacketiX.NET を使うのがベストであるという結論にいたり、同ネットを利用した遠隔練習を始めました。
　特別な機材やハード・ソフトの設定がいらず、特別パソコンに強い人間じゃなくても、簡単に利用できる上、動作が軽くて安定してます。こういう便利なものが無償で提供されているのに、使わない手はありません。
　是非多くの方に活用して戴きたいと、今回、新たな章を設けてみました。
　

2011年1月

文責　なごや組　OFF